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Journey

Journey  

 

根源的なつながりの巡礼

近現代の文明が生み出した危機に直面している世界において、人類は世界の起源にまで立ち返り、始原的なものに由来する創造的な力を再発見していかなくてはなりません。古代から世界各地で続く祭事や聖地が果たしてきた役割は、この世界の再創造のプロセスにおける触媒でありました。時代的、文化的な前提を取り外した空間軸と時間軸に根ざした、無から生まれる全く新たな洞察や創造的な力が、文明の再創造の原動力であったのです。

実際に、ヨーロッパやアメリカをはじめとする西洋諸国でも、近代の黎明期における急速な社会変革と多様な課題に直面する中で、古代からの智慧と伝統を新たに意味づけ、普遍的な価値観をもとにした新たな連帯が生まれました。それは啓蒙思想や科学の発展、そして民主主義、個人主義といった、近代文明の礎を築き上げていきました。しかし、近代以降の世界では、文明の礎を生み出した始原的なものとのつながりは失われ、人類の集合的な創造力は希薄となってしまいました。

現代における文明の創造は、かつての風習を取り戻すことでは達成されません。これまでの宗教や政治、経済の形骸化した枠組みを超えた、新たな時代にふさわしいモデルが求められています。私たちが目指すのは、永続的で始原的な時と場に戻り、そこに集う人々が世界の再創造のための力を受け取り、この力が表出されるためにふさわしい連帯をしていくことです。この連帯においては、個々の存在が持つ力が連帯をすることで融合し、新たな文明の基盤を築いていきます。

日本には、伊勢神宮、高野山といった聖地のように、数千年の時を超えた創造物や伝統が今も現存しています。これらは世界宗教の流れとも繋がっており、多様な背景から日本を訪れる者に、始原的なもの、創造の永続的な流れを喚起させる力を持っています。海外のリーダーたちが日本のこうした場で受け取るものは、新しい時代の創造に向けた意志と西洋の哲学的背景とも相まって、次の文明を創造していくための強力な相乗効果を生み出します。

このような意図をもって日本の聖地に触れることは、西洋文明が直面している行き詰まりに対する解決策の一つとなり得ます。日本に残る聖地や祭儀を巡礼を通して訪れ、そこから世界共通の連帯のための基盤が醸成されていきます。このような日本古来の系譜が持つ力を認識し、世界に開いていくことが、日本が新たな文明創造において果たすべき役割を示しています。私たちは、日本を世界の精神的・文明的なハブとして位置づけます。創造の源である自然に根ざした探求を日本において共にすることで、世界全体が新たな方向へと進むための指針を提供するのです。

 

Future   

 

文明の再創造と日本

文明創造の新たなモデルを探求するための場として、私たちは現代における巡礼を日本で拓きます。この巡礼とは、単なる歴史的遺産の観光ではなく、今もなお残る創造の源を再発見するために、古代から続く祭儀や聖地を中心に据えて、人々が連帯していこうとする場です。2023年11月には、世界中の先住民たちやシリコンバレーをはじめとするビジネスのリーダーたちが阿蘇、宮崎、京都を訪れた巡礼の旅路が催され、文明の未来に対して日本の持つ新たな可能性が見出されたものでした。2024年4月には12人の参加者が世界から高野山に集い、空海を文明思想の革新者として捉え直し、普遍的なリーダー像を見出す旅路を共にしました。

これらの巡礼は、日本、そして人類の根源に遡るものです。巡礼者は、過去と現在をつなぐ古代の系譜に触れ、儀式や実践に参加していきます。それらは単なる祝祭ではなく、宇宙の創造と生命の継続的な再生を再現するものです。巡礼者は存在の循環的な流れの中に参加することで、自然の奥底に宿る創造の力に触れ、日本の精神性の要にある精神と物質の融合を直接体験します。

この旅路の中で、巡礼者は始源の時空間を内包する、聖なる象徴に満ちた創造の神話を解き明かしていきます。これらの神話は、古代からの意識や感情の痕跡を内包する象徴を用いて記されています。それは単なる文学作品や歴史の記録ではなく、人類を己の起源に導くことのできる地図だと言えます。これらの文献に触れることで、巡礼者は創造の神秘と自分自身の内なる原風景を解き明かし、その二つの深い結びつきから人類共通の起源を発見します。

すべての神話は、世界がどのようにして存在するようになったかの起源を示しています。宇宙全体の始まりから人間社会の制度といった多様な創造物の現れが、それぞれの神話には描かれています。物事がどのようにして生まれたのかを語ることは、同時にまた、なぜそれが存在するようになったのかに答えることでもあります。時代を超えて残されてきた創造物には、因果関係の理屈を超えた神秘が宿っており、そこには神話という形でしか理解し得ない働きがあるのです。

巡礼者の旅が進むにつれて、世界の起源を訪れることから得られる洞察が、現代の私たちにとって何を意味しているのかに想いを馳せていきます。社会的、政治的、環境的なパラダイムの危機に直面している世界において、創造的な始源に関する知恵は文明の再生への道を照らし出すものです。巡礼は変革的な体験となり、起源は遠い過去の物語ではなく、新しい思考、在り方、そして世界の創造を触発する生きた力となります。

巡礼の最終地点は、巡礼者が新たに得た理解から未来の新しいパラダイムを描き、具体化する集団的な創造行為です。この創造、または再創造の行為は、起源に立ち返ることの持つ創造的な力を証明するものです。それは世界を再構築し、つながりと調和、生命の再生の原則に沿った、新しい世界を想像するための社会への呼びかけとなります。

この巡礼を通じて、日本は起源の探求と文明の再創造のための生成的な場として生まれ変わります。日本には、神社仏閣、鎮守の森、伊勢神宮、高野山といった聖地のように、数千年の時を超えた創造物や儀式が今も現存しています。これらは世界宗教の流れとも繋がっており、多様な背景から日本を訪れる者に、始原的なもの、世界創造、神話的な永続的な流れを喚起させる力を持っています。

日本の役割は、受け継がれた遺産を守るだけでなく、それを現代の文脈において活かし、新しい創造の可能性を世界の人々と共に探ることにあります。海外の探求者たちが日本で受け取るものは、新しい時代の創造に向けた意志と哲学を持つ彼ら自身の背景とも相まって、次の文明を創造していくための強力な相乗効果を生み出します。古代と現代が交わる精神的な旅路を通して、巡礼者は広大な時間軸と空間軸の宇宙における、人類の立ち位置と未来を形作る役割についての理解を醸成していきます。

History  

KUNI
Retreat 2023

KUNI
Retreat 2023

2023年11月9日から11月15日まで、阿蘇、宮崎を経て、京都に至るKUNIリトリートが開催された。このリトリートは「KUNI (クニ)」という日本古来の精神を柱として、世界各地から集った参加者たちが、人類と自然の起源を共に遡った。この物語の中心であるクニという精神は、古代の叡智を守ることと現代的な課題を受け入れることの両立を目指すものである。

主にアメリカを中心とした海外からは、先住民族の長老、先駆的なビジネスの経営者、慈善家、哲学者、社会起業家、環境活動家などが参加し、日本の変革者たちと共に、人類史の迎えているこの特別な時代に進むべき道を探求した。

Mount Koya Pilgrimage 2024

Mount Koya
Pilgrimage 2024

2024年4月、緑豊かな高野山の聖域で、千年にわたる深遠な知恵に包まれ、世界から招かれた12名のリーダーたちが、空海の遺産に触発されたリーダーシップのビジョンを探求した。空海は、自然へのアニミズム的な信仰と真言密教の深い秘教的な啓示を巧みに織り交ぜた、東洋の包括的な世界観を提示した。

空海の境地によって、個々の意識を自然から湧き出る創造的な力と結びつけ、高野山という、何世紀にもわたり共有された信念と価値観に基づくコミュニティが生まれた。空海の旅は、リーダーの内なる変容の成果が、精神的だけでなく物質的、社会的にも持つ持続的な影響を示す強力な証となり、その影響は時代を超えて響き渡っている。

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