KUNI
Initiative
現代社会が直面する危機が深刻化する中、政治や経済だけでなく、自然環境を含めた広い文脈において、現行の社会システムがそう遠くない未来には立ち行かなくなることを、世界各地の人々が感じています。
このような危機意識は日本にも広がる一方、世界から訪れる人々が共に日本の可能性を再発見し、未来への解を探していこうとする試みが、いま生まれはじめています。これは現状に対する批判にとどまることなく、新たな文明の倫理を体現することのできる未来への解を、私たち自らが求めていく探求です。
文明の節目と探求
文明の節目と探求
私たちの探求の試みを通して志されているものは、新たな社会の創造と同時に、古より変わらないもののルネッサンスでもあります。ここでのルネッサンスとは、社会の変革という表層を越えて、時代の根源の部分に立ち返ることを通しての、文明そのものの革新です。
単なる過去の遺産の復興ではなく、未来のための新しい理解、新しい価値の創造の源を、時代を超えた大きな流れの中に求めていくこと。それは世界が直面している危機ー環境破壊、社会的不平等、精神疾患などーに対する本質的な解を模索する過程でもあります。
現代のルネッサンスが促す文明の革新とは、言うならば、私たちが日常的に当たり前としているよりも拡張された空間軸と時間軸によって支えられた、一人ひとりの自己認識と世界観の刷新でしょう。そこでは「人間とは何か？社会とは何か？」という近代的な問いから、「いのちとは何か？」という全体的な問いへと、探求の軸を移行することが求められます。
近代社会の興隆を超えたところで、普遍的な創造の源としての自然、それに生かされながら世界は連綿と続いてきました。歴史的に西洋を中心とする枠組みによって影を潜めてきた、普遍的な流れと人間の存在を再接続し、その観点から未来を創造していくことは、次の時代の大きな手がかりとなっていくはずです。
探求の系譜と未来
探求の系譜と未来
この果てしない探求を、どこからはじめればいいのでしょう。私たちにとって先例となるような先駆者はいるのでしょうか。また、そうした先駆者は、何を見て、何を成そうとしてきたのでしょう。
たとえば、空海に代表されるように、古くから日本にはこのような探求の足跡が数多く残されてきました。このような探求者たちは、一層深い次元でそれぞれの時代の危機の根本を見抜き、移りゆく社会情勢を超越した視点から、新たな世界を創造してきました。日本各地に千年を超えて今も残る探求の遺産が、文明の興隆を超えた大きな流れと人間のつながりを、今もあますことなく伝え表しています。
Join KUNI
Join KUNI
私たちの探求は、現行のパラダイム内での変革を生み出すのではなく、文明自体を根本的に再考し、革新することを志すものです。私たちが直面している問題は人間の生存を脅かす危機でありながらも、人類のアイデンティティと目的を見直し、新たに創造していくための大きなチャンスでもあります。
個々の社会や文化が持つ枠組みを超え、共通の根源的な真理や価値に光を当てていくこと。それには、科学、哲学、宗教、芸術、経済など、人間の知と創造のあらゆる領域が、普遍的な流れのもとに集い、共に探求をしていかなくてはなりません。